2017年度理事長所信 中村 壯

はじめに

日本三大急潮の一つである黒之瀬戸海峡に面した阿久根市と長島町。阿久根青年会議所はその2つを活動エリアとし、創立スローガンとして「郷土に愛を示そう青年の気概」を掲げ1981年2月22日に設立されました。私たちがここに存在出来ているのは、先輩諸兄姉が36年もの長きにわたり一年一年途切れることなく、バトンを受け継いで下さったおかげです。私たちは先輩諸兄姉の想いを今一度考え、継承しながらこれからの活動を行っていくことが大切だと考えます。今日、社会では多くの問題や課題を抱え、時代と環境は大きな変化を遂げております。その中でも地方の疲弊は著しく、急速な時代変化に対応し、さらに独自性を持つことが急務です。この地域に住み暮らす方々にとって、この地域に存在する文化・伝統・芸術や自然などは日頃から接しているため、特別意識されにくいものですが、他の地域の方々にとっては魅力的な資源となる場合があります。地域の独自の産業・文化・自然などを大切に育て、地域の歴史を尊重するなどして地域の個性を活かしていかなくてはなりません。今後の日本を左右する重大な責任として、これからの地方の担う役割と責務は、他人任せではなく、自ら行動し、その変化に対応し自立することと私たちは考えます。私たちが住み暮らすまちに何が必要で何が大切であるのか、時代に即し、まちに適した考え方を取り入れ、想いを込めた多くの発信を行う青年団体として活動して参ります。

 

つながりのあるまちづくり

阿久根市と長島町。東シナ海を望む雄大な自然に恵まれたこの地域も、少子高齢化・人口の減少・空き家の増加・商店街の空洞化などの問題を内包しています。「つながりがある」とはどういったことなのでしょうか。我々阿久根青年会議所は人と人とのつながり、人と自然のつながり、歴史と文化のつながりの3点があることだと考えます。以上3点を大切にする事業を実施し、まずは地元を深く真剣に考える機会を設けます。そしてこのつながりを大切にしつつ育むことで、より強固なつながりを確立し、地域の方々と一緒になって考えたまちづくりを実践していきます。自分たちが住むまちが将来どのようになってもらいたいか、笑顔あふれるまちには何が必要なのかを今一度考え、行動に移して参ります。

仕事や地域で過去に多くの経験をされている高齢者の方や、地域の情報に詳しい主婦の方などの経験や情報を活かす、地域の人的資源を有効に活用していくということが言えます。2015年の阿久根みどこい祭りより、踊り巡行という形で伝統芸能を広く市民に披露する場が設けられました。伝統芸能を熟知している高齢者が、若者達に伝統芸能を指導し、踊り巡行やそこまでの過程を通してコミュニケーションを図ることで、地域の伝統が継承されつつ、高齢者の活躍の場が生まれた事は意義深いものだと思います。いつの時代も、何かが始まる、出来上がるのは一人の想いが誰かに伝わり、共感してもらい、活動の輪を拡げていくことで成功してきました。今までまちづくりに関心はあったものの行動に移せていなかった方が、行動に移せるようなきっかけづくりとなるよう、公開例会等を通じて事業展開して参ります。もちろん、この世にある資源に限りがあるように、このまちにあるマンパワーにも限りがあります。そのためには、ある特定の人々だけが熱心に活動するというものでは足りません。地方公共団体や企業、商店街、町内会、学校、その他の組織など地域には、多種多様な分野で活躍する方々、様々な個性、強みを持つ方々がまちには存在しています。これらを最大限に活用するために、まず、一人でも多くの方がまちづくり運動に参加できる体制を構築し、多様な意見に触れ合える場を設けます。そして、これまで以上に積極的に他団体と交流を行い、各種団体が切磋琢磨し、共有できるヴィジョンに対しては連携して取り組んでいくという方策を実施していきます。

我々阿久根青年会議所はまちづくりの一環として、2012年より遠泳大会を小規模ながら実施して参りました。さらに、昨年は阿久根OWSと銘打ち、初めて脇本浜海水浴場にて開催しました。市内外と言わず、東京・大阪など都市圏からも多数参加して頂きました。阿久根OWSを開催し続け、日本水泳連盟の認定コースを取得することで、阿久根を鹿児島県の水泳の聖地として発信し、競技人口増に寄与して参ります。ただ、認定コースを取得するだけでは無く、ファンスイミングのコースを設定することで水に親しむ機会を提供し、阿久根の夏のイベント・風物詩となるよう、本年度も「阿久根OWS2017」として開催致します。ブース出展などを含めて、この大会を他団体の方々をはじめとして多くの市民の方々と一緒に大きくしていくことで、阿久根市と長島町の交流人口増に寄与して参ります。

 

地域の次世代を担う青少年育成

阿久根市の人口が約2万1千人、長島町が約1万1千人。国勢調査の結果ではありますが、1980年の人口は阿久根市が29,527人、長島町が14,840人。阿久根青年会議所が創立され、現在に至る間に3割弱減少しています。老齢人口割合も4割近くと増加の一途を辿り、若年層の数も減少しています。出生数や転入数が減り、転出数も多く、自然減数も多くなっています。

思い起こせば、子供の頃の思い出や共に成長してきた友、地域における様々な経験。子供にとって一つの夢や目標を持つことが、成長する上で大きな糧になります。目上の方への礼儀作法や言葉遣いを学び、仲間と助け合う中で夢や目標に向かう強い心を育む。そして、地域に感謝し、人に感謝し、自然に感謝し、環境に感謝する。感謝の心。成長する糧に成り得るもの、それはいつの時代もかけがえのない大切な心であり、どんな困難にも諦めずに向かう強い気持ちであり、同じ苦労を共にしてきた友や仲間の存在であり、仲間を想う優しい心などではないでしょうか。私達が先輩諸兄姉をはじめ地域の方々より受けてきた恩を、現在の子供達に自身の成長を感じる機会を提供することで送る、そのために我々青年会議所は行動します。私達は、将来のこの地域を担う青少年に対し事業を実施して参ります。この地域に住み暮らす青少年が地域の歴史を学び、地域の文化に触れ、この地域を愛する人財となるよう、青少年育成事業を実施致します。阿久根市・長島町の両地域を対象に、それぞれの郷土史を学ぶ機会を設け、郷土史に触れることで地元を知り、地元を愛する青少年を育成することで、将来的な定着人口増に寄与して参ります。

 

組織基盤の強化と想いを込めた情報発信

青年会議所が行う例会は会員が一堂に会する重要な場であり、他の会員とのつながりを認識できる貴重な場でもあります。年間を通じて組織運営を円滑に進めていくには組織基盤が強固であることが最低条件です。期限厳守や有言実行など、当たり前のことを当たり前に行う風土を再認識し、安心感のある組織運営を行います。情報発信については、私達の活動・運動は「地域や子供たちの未来のために、明るい豊かな社会をつくる運動」と言っても簡単には伝わらないのが現実です。まちのために有益と思われる事業を展開しても、私達からしっかりと発信できなくては自己満足で終わってしまいます。主観的ではなく客観的に物事を捉え、受け手側が魅力を感じる情報であれば、多くの方々へ運動を拡散することが可能です。あらゆる媒体を最大限に有効活用し、広報・発信までが事業であるという攻めの姿勢をもって活動していく意識が求められます。私達が運動に込めた熱い想いが伝わってこそ、人々の心を動かし賛同を得ることができるのです。想いを伝播させていくには阿久根青年会議所が行う事業の精度を高め、活動や運動を的確に発信し、地域の方々にしっかりと魅力を感じていただくことが必要です。各例会や事業において、オブザーバーが積極的に体験・体感する機会を設け、共に研鑚を重ねながら成長し合える仲間を増やします。そして、活気ある組織による運動展開は周囲に与える影響も大きくなると考えます。そのために多くの同志を集い、地域を代表する活気ある青年団体としてまちを担い、先輩諸兄姉の多大な尽力により現在まで受け継がれてきた青年会議所を今後もしっかりと引き継いでいかなければなりません。誰もが憧れる品格ある青年団体として、メンバー一同一致団結し魅力ある組織の確立に邁進して参ります。

 

結びに

 

青年会議所の三信条は「友情・奉仕・修練」です。本年度のスローガン「銀鱗躍動」には、一人一人が活き活きと活動する、という想いを込めました。私達が行う運動や活動は、一体誰のために行っているのでしょうか。これはどの団体にも言えることですが、私達自身のため、家族のため、会社のため、まちのため、未来をこの地域で住み暮らす方々のためと言えます。私達の行う活動の一つ一つが「明るい豊かな社会の実現」へとつながっていきます。「このまちの未来のため」を念頭に置き、全員が一丸となって取り組んでいく事が大切なのです。全てのことに共通することですが、自らが奮闘し汗や涙を流した事業については、誰もが熱い想いをもって語ることができます。私たちが何事も当事者意識を持ち、積極的に運動や活動を行うことで組織は活性化されていきます。積極的に運動を展開していくことで熱い想いを胸に抱くことができます。単に伝えた・発信したではなく、熱い想いを持って伝え発信することで、人から人へ、そして地域へと伝播していくのです。同じ時代に生まれ、熱い想いを胸に抱く仲間たちと共に助け合い支え合いながら意識を高め、さらに一人一人が、そしてこの地域がこれまで以上に輝けるよう、本年の阿久根青年会議所は活動して参ります。